56317
52697
HOME»住宅ローンと税金の関係 » 住宅取得控除とは?必要書類や確定申告などの要件をFPが解説!
※この記事は約5分で読めます。

住宅取得控除とは?必要書類や確定申告などの要件をFPが解説!

住宅取得控除って?
ローン返済負担を軽減?

会社にお勤めの方や公務員の方のように、給与の形で毎月所得を得ている場合、給与支払時に源泉徴収される形で納税が済むことになり、原則として確定申告は必要がありません。そうした意味で、「確定申告」と聞けば「難しそう?」「税理士などの専門家に相談した方がいいの?」と戸惑う場合が多いかもしれません。
確定申告は、税務署に対して自分の所得を主張する良い機会です。商売をしている方で決算書類の添付などが義務づけられている場合を除き、申告自体はやってみると難しくありません。この確定申告について、特に今年中にマイホーム取得を予定されている方は、来年の確定申告までに、住宅取得控除という制度について知っておくといいでしょう。

1.住宅取得控除とは

住宅取得控除は住宅ローンの返済負担を軽減??


「マイホームを現金一括で取得する」ということは、「宝くじの一等賞に当たった場合で、まとまったお金が入る」などのケースを除いて、ほとんどないのではないでしょうか。大多数の方は、マイホーム取得のために貯蓄してきたお金を頭金に、金融機関に住宅ローンを申し込むということになると思います。
住宅取得控除は、この住宅ローンの返済負担を軽減し、マイホーム取得を後押しするための税制優遇制度の一つです。住宅ローンの残高に一定率を乗じた金額分、源泉徴収された税金が還付される制度です。簡単に言えば「一度納めた税金が返ってくる」というものです。

控除を受けるためには確定申告が必要
マイホーム取得をすれば、税金が自動的に返ってくるというわけではありません。税金の還付を受けるためには、税法に基づく手続きを行う必要があります。その手続きが確定申告ということになります。
確定申告の時期は、毎年決まっていて2月中旬から3月中旬までとなっています。なお、この時期を外すと確定申告できないという訳ではありません。確定申告の受付は3月中旬を過ぎても受け付けますので、お住まいを所管している税務署にて申告の手続きをしていただければと思います。

どれくらいの税金が返ってくるか
税金には、所得控除と税額控除という二つの控除があります。式で単純化して示すと次のようになります。
納税金額=(課税対象となる所得-所得控除)×税率-税額控除
今回ご紹介している住宅取得控除は、所得控除ではなく税額控除である点がポイントです。所得控除の場合は、所得から差し引いた分に税率を乗じた分しか税金が戻りません。これに対して、税額控除は税率に関係なく、納税金額から直接差し引かれるので、税金の戻る分がより大きいと言えるでしょう。
では、どのくらいの税金が戻ってくるのでしょうか。計算は簡単です。住宅ローン残高の1%が、源泉徴収された税金から戻ってきます。算式で示すと、次のようになります。
その年に戻ってくる税金=年末の住宅ローン残高×1%
住宅取得控除は、税制優遇措置として古くから存在している制度です。政府の税制調査会などを通じ、定期的に見直されているので注意が必要です。国税庁のホームページでチェックすると、本記事の執筆時点である2017年時点では、次のような内容となっています。

お住まい開始の期間 控除が受けられる年数 その年に戻ってくる税金
平成21年1月1日から
平成22年12月31日まで
10年間 年末の住宅ローン残高×1%
(最大還付金額:50万円)
平成23年1月1日から
平成23年12月31日まで
10年間 年末の住宅ローン残高×1%
(最大還付金額:40万円)
平成24年1月1日から
平成24年12月31日まで
10年間 年末の住宅ローン残高×1%
(最大還付金額:30万円)
平成25年1月1日から
平成26年3月31日まで
10年間 年末の住宅ローン残高×1%
(最大還付金額:20万円)
平成26年4月1日から
平成31年6月30日まで
10年間 年末の住宅ローン残高×1%
(最大還付金額:40万円)

お住まい開始の期間で、最大還付金額に違いがありますので注意が必要です。平成21年からみると、最大還付金額は縮小される傾向にありましたが、平成26年4月1日からは40万円と増額されています。この背景には消費税が5%から8%に増税されたことにより、予想される住宅需要の落ち込みをカバーする狙いもあるようです。この住宅取得控除は、その時々の事情によって制度の内容が変わったり、将来的に廃止される可能性がある時限的な措置であることに注意が必要です。

より多くの税金還付を受けたい方は要チェック
法律に基づく要件に該当する住宅を取得すると、より多くの税金還付がある住宅取得控除が受けられることを知っておくといいでしょう。例えば、マイホームを取得される方は、次のような物件を選んでみてはいかがでしょうか。
長期優良住宅と認められる住宅:所定の耐震性やバリアフリーなどの住宅性能を有する住宅など
低炭素住宅と認められる住宅:断熱性など省エネルギーに資する住宅性能を有する住宅など
それぞれの住宅について、法令に基づいて審査期間の審査を受け、認定されることで、より多くの税金還付を受けることができます。注文住宅でマイホームの取得をお考えの方は、参考にしてみて下さい。認定を受けることで住宅取得控除で戻ってくる税金は、次のように多くなりますよ。

お住まい開始の期間 控除が受けられる年数 その年に戻ってくる税金
平成21年6月4日から
平成23年12月31日まで
10年間 年末の住宅ローン残高×1.2%
(最大還付金額:60万円)
平成24年1月1日から
平成24年12月31日まで
10年間 年末の住宅ローン残高×1%
(最大還付金額:40万円)
平成25年1月1日から
平成26年3月31日まで
10年間 年末の住宅ローン残高×1%
(最大還付金額:30万円)
平成26年4月1日から
平成31年6月30日まで
10年間 年末の住宅ローン残高×1%
(最大還付金額:50万円)

物件の新築、中古によらず適用がある
新築物件だけでなく、中古物件の取得についても住宅取得控除の対象となります。ただし、新築の場合と違い、注意しておいた方がいいことがあります。それは、あまりに古い物件だと、「住宅取得控除の対象とならないことがある」ということです。
例えば、耐震基準について、昭和56年の建築基準法の改正で耐震基準が大幅に見直されました。また、ここ最近は大きな地震が頻発していることがあって、耐震性に関する基準は今後も見直しされることが予想されます。マイホームとして取得した物件が古く、法令に基づく耐震性を有していない場合、住宅取得控除の対象とならないことがあります。

控除の対象になる人について
住宅取得控除の対象になる人は、確定申告の前年にマイホームを取得していることに加えて、次の要件を満たすことが必要です。
年収が3,000万円を超えないこと
建物の取得を伴うこと(土地の取得のみは、住宅取得控除の対象とならないので注意)
親族や知り合いからの物件購入でないこと
取得後、半年以上引き続いて住んでいること
多くの方は、上記の要件を満たしていると思いますが、住宅を買っても、直後に転勤などの事情で、住まずに空き家にしていたりしている期間が長ければ、住宅取得控除の対象と認められない場合がありますので注意して下さい。

なんとなく選んだ住宅ローンで損をしていませんか?
支払い総額では数百万の差が出ます。金利が安い銀行を比較しましょう↓

見直しで残債が480万円も減額?プロが客観的にあなたの住宅ローンを無料で診断!


ネット銀行住宅ローンで金利が一番低いのがどこ?人気の3社を比較!
ネット銀行住宅ローンの低金利3社を比較したページはコチラ

2.新築物件のケース

必要な条件、手続きと必要な書類を確認しよう!!


次に物件が住宅取得控除の対象になる上で、必要な条件、手続きと必要な書類を確認します。まずは、新築物件のケースです。

対象となる物件
住宅の床面積とローンの期間に注意します。次の要件を満たすことが必要です。
取得した住宅の床面積が50平方メートル以上であり、床面積の2分の1以上を自己居住用として使っていること
ローンの期間が10年以上あること

上記の他、住宅取得控除を受けようとする年を含め、前後2年間(合わせて5年間)に、住宅に関する税制上の優遇措置を受けていないこと、などが要件となっています。

必要書類
住宅取得控除を受ける為には、次の書類を集めて、住所地を所管する税務署で手続きを行う必要があります。

確定申告書(税務署に用紙があります)
住宅ローンの年末残高証明書(住宅ローンを利用している金融機関などから貰います)
住宅取得控除を受ける人の住民票(住所地を所管する自治体で発行手続きをします)
源泉徴収票(給与所得者は、お勤めの会社から貰います)
登記事項証明書(住所地を所管する法務省で発行手続きをします)
不動産売買や建築請負工事に関連する契約書の写し、など

手続き
住宅を取得した年の翌年の2月上旬から3月上旬の確定申告の時期に、住所地を所管する税務署で手続きをします。手続きは世帯単位ではなく、個人単位で行います。ご夫婦がそれぞれ住宅ローンの申し込みをして、マイホームの取得をしている場合は、ご主人と奥様のご両人がそれぞれの名義で手続きをすることになります。

3.中古物件のケース

必要な条件、手続きと必要な書類を確認しよう!!


続いて、中古物件のケースについて、住宅取得控除の対象になる上で、必要な条件、手続きと必要な書類を確認します。

対象となる物件
中古物件の場合は、新築物件と比べて注意することが多いです。新築物件では、床面積とローンの期間に注意すればよかったのですが、中古物件の場合は建てられた時期によっては、現行の住宅性能として求められる基準に適合しない場合があり、その場合は住宅取得控除の対象外とされることがあるからです。
基本として、住宅取得控除を受けるために、次の条件を満足することが必要です。

鉄筋コンクリート造、鉄骨造などの耐火建築物:取得日時点で築年数が25年以内
木造など非耐火建築物:取得日時点で築年数が20年以内

なお、鉄筋コンクリート造、鉄骨造などの耐火建築物で、取得日時点で築年数が25年を超える、又は木造など非耐火建築物で、取得日時点で築年数が20年を超えるケースであっても、リフォームなどによって耐震性など、必要な住宅性能が確保されていると公的な機関の認証を受けている場合は、住宅取得控除の対象になる場合があります

必要書類
基本的に、新築物件の場合と同じです。

手続き
手続きについても基本的に、新築物件の場合と同じです。

4.住宅取得控除における注意点

控除の条件を満たさなくなった時点で中断停止!?


住宅取得控除において注意したいのは、「控除の条件を満たさなくなった時点で中断・停止される」こと、そして「納めた税金の範囲内の還付である」ということです。

住宅取得控除の中断事由に該当しないように注意
住宅取得控除の手続きを一度しておくと、その後は自動的に税控除が受けられると思いがちですが、住宅取得控除の中断事由に該当すると、その時点で税控除が受けられなくなったり、中断したりする場合が有るので注意しましょう。具体的には次のような状況になれば、住宅取得控除が受けられなくなったり、中断される場合があります。
年収が3,000万円を超えた
半年以上、空き家にしている
居住せず、人に貸している
ローン期間を短縮したので、期間が10年未満となった、など

納めた税金の範囲内の還付であることに注意
住宅取得控除は、手続きを完了すれば自動的に貰えるといった性格の補助金ではありません。手続きをしても、源泉徴収などの「税金の概算払い」が行われていなければ、払っている税金自体がないので、戻ってくる税金もありません。住宅取得控除は、給与所得者など会社から給与を「税金を天引きされた形」で受け取っている人が対象であって、「税金を天引きされていない形」で受け取っている人、御自身で商売をされている自営業者の方は注意が必要です。

5.関連する情報

そのほかにも補助金がある???


最大30万円の補助金?
関連する情報は??

関連する情報として、住宅売却に関する税制度や、すまい取得に関する補助金についてご紹介します。

住宅売却に関する税制度
一般的に不動産を売却する場合、取得時に支払ったお金より売却した時のお金が多いと、その分が譲渡所得と見なされて所得税が課税されます。このことに関連して居住用に取得した不動産を売却する場合、次の優遇措置があります。

譲渡所得の特別控除
他の土地建物に買い替えた場合の特例

譲渡所得の特別控除
売却した物件がマイホームなど、居住用に取得した物件だった場合は3,000万円を上限とした所得控除が受けられます。なお、取得してすぐに売却した場合には、適用されない場合がある他、一定期間以上お住まいになった場合と比べて、高い税率がかけられるので注意が必要です。

他の土地建物に買い替えた場合の特例
転居などの理由でマイホームを買い替える場合、一定の要件を満たすことで、この特例を受けると、以前のマイホームを売ることで売却益が出た場合でも、新しくマイホームを買い替える場合に、所得税の課税が「将来に繰り延べ」となります。ただし、将来において、今回新しく買い替えたマイホームを売却する際には、納税することになりますので注意して下さい。

すまい給付金
消費税増税に伴うマイホーム取得の負担を軽減するために創設された補助金制度です。一定の要件に該当する方が申請を行うことで、最大30万円の補助金が支給されます。この補助金は所得税の対象にはなりません。

金融機関の住宅ローンを利用している方の多くは、融資の審査基準である「安定した収入が継続的に得られている」という条件をパスしていると思います。よって、経営の安定した大きな会社のサラリーマンであったり、公務員の方でしょう。こうした人は、源泉徴収でかなり多くの税金を納めていると考えられます。 節税面において、所得控除よりも税額控除のほうがより効果が大きく、今回ご紹介した住宅取得控除は上手に利用すれば、10年間トータルで最大400万円の節税が実現できます。手続きの書類を整えるのが面倒かもしれませんが、家計のやり繰りを改善する点で、是非とも活用したい制度です。

 

低金利が期待できるネットバンク。フラット35も含め、一覧で比較しました↓


なんとなく選んだ住宅ローンで損をしていませんか?
支払い総額では数百万の差が出ます。金利が安い銀行を比較しましょう↓

ネット銀行住宅ローンで金利が一番低いのがどこ?人気の3社を比較!
ネット銀行住宅ローンの低金利3社を比較したページはコチラ

このページでわからない点があれば教えて下さい、住宅ローン牧場のFPが確認後回答致します。








  • 住宅ローン控除とふるさと納税による控除は併用可能?FPが解説! 住宅ローン控除とふるさと納税による控除は併用可能?FPが解説!
    住宅ローン控除とふるさと納税による控除は併用可能? マイホームを購入する人ならほぼ全ての人が住宅ローン減税を申請することで... 6,477 views
  • 住宅ローン減税の上限、住民税で得する方法、FPが教えます! 住宅ローン減税の上限、住民税で得する方法、FPが教えます!
    住宅ローン減税の上限、住民税のカラクリ 借入金額の1%が10年間にわたって帰ってくる住宅ローン減税、ぜひとも利用したい制度の一つだと思います... 5,270 views
  • 確定申告での還付金。住宅ローン控除の有効な利用方法 確定申告での還付金。住宅ローン控除の有効な利用方法
    確定申告での還付金。住宅ローン控除の有効な利用方法 住宅ローン控除がどんなものなのかはご存知でしょうか?「家を買うとお金が貰えるらしい」というイメ... 1,964 views
  • 中古住宅のローンシュミレーション、減税は適用される? 中古住宅のローンシュミレーション、減税は適用される?
    中古住宅のローンシュミレーション、減税は適用される? 「夢のマイホームの取得」とよく言いますが、一口にマイホームと言っても色々な形態がありま... 1,789 views
  • 住宅借入金等特別控除申告書とは?書き方をFPが解説! 住宅借入金等特別控除申告書とは?書き方をFPが解説!
    住宅借入金等特別控除申告書とは?書き方をFPが解説! 「住宅借入金等特別控除」とは、住宅ローン等を利用して①マイホームの新築②マイホームの購... 1,503 views
  • 人気記事
  • 住宅ローン仮審査と本審査の違い。日数はどのぐらい?FPが解説! 住宅ローン仮審査と本審査の違い。日数はどのぐらい?FPが解説!
    更新日:2017/5/15 ネット銀行住宅ローンで金利が一... 239,260 views
  • ネット銀行の住宅ローンランキング、FPが金利で比較! ネット銀行の住宅ローンランキング、FPが金利で比較!
    更新日:2018/2/5 ネットバンクの中でも金利が低... 109,475 views
  • ろうきん住宅ローンを申し込むメリット。評判と口コミをFPが分析! ろうきん住宅ローンを申し込むメリット。評判と口コミをFPが分析!
    ろうきん住宅ローンを申し込むメリット。評判もいいです。 み... 79,941 views
  • 楽天銀行住宅ローンのメリットデメリット&口コミ~FPが解説! 楽天銀行住宅ローンのメリットデメリット&口コミ~FPが解説!
    ネット銀行住宅ローンで金利が一番低いのがどこ?人気の3社を比... 63,913 views
  • 住宅ローン控除のシミュレーション、計算方法をFPが解説 住宅ローン控除のシミュレーション、計算方法をFPが解説
    住宅ローン控除のシミュレーション、計算方法について教えます ... 59,750 views
  • 最新記事
  • 住宅ローンの借り換えで損をするケース?FPが注意点を喚起!~ネットバンク編
    住宅ローンの借り換えで損をするケース?FPが注意点を喚起!~ネットバンク編 住宅...
  • リフォームローンと住宅ローンの違いを解説!金利や審査は異なる?FPが解説!
    リフォームローンと住宅ローンの違いを解説!金利や審査は異なる?FPが解説! 多く...
  • 固定資産税のシミュレーションとは?新築建売やマンションではどうなる?FPが解説!
    固定資産税のシミュレーションとは?新築建売やマンションではどうなる?FPが解説!...
  • 信託銀行と銀行の違いをわかりやすくFPが解説!
    信託銀行と銀行の違いをわかりやすくFPが解説! 一般社団法人信託協会によると、信...
  • 住宅ローンの審査で健康状態はどう影響する?健康診断書は必要?FPが解説!
    住宅ローンの審査で健康状態はどう影響する?健康診断書は必要?FPが解説! 住宅購...
  • 全記事