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個人年金保険料控除の条件・年末調整時の計算方法とは?

保険に加入すると所得税が控除される「生命保険料控除」
皆さんは、生命保険に加入すると、所得税や住民税が優遇される事はご存知だろうか。通常、1年間の収入に対して、基礎控除や配偶者控除、住宅ローン控除など、年収から差し引くことができる控除があり、これを差し引いた金額に対して所得税や住民税で支払わなければいけない金額が計算される。

個人年金保険料控除。生命保険料控除の中の一つと考えて下さい


サラリーマンの方であれば、毎月の収入からあらかじめ所得税を引いた状態で給与が振り込まれるため、1年間の中で受けられる控除が他にある事を申告すると、多く支払いすぎた所得税が返ってくるという事がある。毎年、10月頃になると会社から紙が渡され、必要事項を記入して提出すると、12月の給料に少しお金が増えている事があったかと思う。これが年末調整である。

つまり、払わなくて良い分の税金が減る、もしくは戻ってくるのが控除


この年末調整において、実は生命保険に加入すると、1年間に支払った生命保険料のうち、一定額は年収から差し引くことができる控除を利用する事ができる。これを「生命保険料控除」と言う。つまり、生命保険に加入しておくと、所得税が返ってきたり、また、来年度の住民税が少し安くなるというのだ。
では、生命保険料控除とはどのようなものなのか、少し詳しく見てみよう。

生命保険料控除の種類とは?

現行の生命保険料控除は、大きく分けると3種類に分類される。「一般生命保険料控除」「介護医療生命保険料控除」「個人年金保険料控除」の3つである。以前は「一般生命保険料控除」と「個人年金保険料控除」の2種類であったが、平成27年以降、上記3種類に分類された。
下図は旧制度と現在の制度の生命保険料控除の図となるので参照いただきたい。

[生命保険料控除の種類]

「一般生命保険料控除」は、被保険者が亡くなった場合に遺族に死亡保険金が受け取れる、いわゆる生命保険に加入した場合はこの控除を利用することができる。「介護医療保険料控除」は、病気やケガで入院した場合に入院給付金が受け取れる医療保険や、がんとなった場合に診断給付金や入院・手術給付金が受け取れるがん保険などに加入した場合はこの控除を利用することができる。

ただし、控除の対象となる金額には上限があります


「個人年金保険料控除」とは、生命保険会社が販売している個人年金保険に加入した場合にこの控除を利用する事ができる。
この3つの控除は、それぞれ所得税は上限4万円まで、住民税は2.8万円までを年収から控除することができ、これを差し引いた年収によって所得税・住民税が計算される事になる。3つすべてを利用した場合、所得税は最大12万円、住民税は最大7万円まで、年収から控除できるのである。
今回は、この生命保険料控除の一つである、「個人年金保険料控除」を受けるための条件についてさらに深く見ていきたい。

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「個人年金保険料控除」を受けるための条件とは?

先ほど、「個人年金保険料控除」は、生命保険会社が販売している個人年金保険に加入すればこの控除を利用することができると述べたが、実は生命保険会社が販売している個人年金保険に加入すればすべて個人年金保険料控除を利用できるわけではない。一定の条件を満たした場合のみ、個人年金保険料控除を利用する事ができるので、その条件をぜひ知っておいていただきたい。
個人年金保険料控除が利用できる個人年金保険の条件とは、以下の通りである。

下の条件を満たしていないと個人年金保険料控除の対象となりません。


・年金を受け取る人は、保険料の払い込みをする者(契約者)、またはその配偶者であること
・年金を受け取る人は、被保険者と同一人であること
・保険料の払込期間が10年以上であること
・年金の種類が確定年金の場合、被保険者の年齢が60歳以上かつ、年金受取期間が10年以上であること
・個人年金保険の加入時に「個人年金保険料税制適格特約」を付けておくこと

それぞれ詳しく見ていこう。
まず初めに、年金を受け取る人は保険料を支払う人か、その配偶者でなければならない。これは、年金を受け取る人が保険料を支払う人とは別の方の場合、「贈与」となってしまうため、保険料を支払う人の所得税や住民税の優遇対象ではなくなり、逆に贈与税の対象となってしまう。

支払う者=受け取る者でなければ控除の対象にはなりません


また同様に、被保険者と年金を受け取る人が別の方の場合においても、贈与税の対象となってしまうので注意が必要である。個人年金保険料控除を受けるための条件の基本は、「保険料を支払う人(契約者)」=「保険の対象の人(被保険者)」=「年金を受け取る人(受取人)」でなければならない。

次に、保険料の払込期間が10年以上であることという条件がある。例えば、50歳の方が55歳まで保険料を支払い、60歳から年金の受け取りができる商品や、または一時払で保険料を一括で支払うタイプの個人年金保険には、個人年金保険料控除は利用できないのでご注意いただきたい。
また、年金の受け取りについても制約があり、年金の受け取り開始年齢が60歳であり、かつ受取期間が10年以上でなければいけない。

個人年金保険料税制適格特約を忘れていると控除の対象外?


上記の確定年金には、受取期間が5年間のタイプがあるが、この場合は個人年金保険料控除の対象外となってしまうため、こちらもご注意いただきたい。
最後に、契約時の注意点について述べておくと、個人年金保険の契約時に「個人年金保険料税制適格特約」を付けておかなければ、個人年金保険料控除の対象にはならない。通常、該当する個人年金保険には自動で付いている場合が多いが、時折、自動で付いていない場合や、契約窓口の方が付けずに申込書を作成する場合もあるので、ぜひ契約時には付いているかどうかご確認いただきたい。

年末調整でどれくらい戻ってくる?年末調整の計算方法とは?

では、生命保険料控除を利用できる条件をクリアして、いざ年末調整に向けて生命保険料控除を利用しようと思うが、実際どれくらい戻ってくるのかよくわからないという方も多いのではないだろうか。
ここでは、生命保険料控除を利用したときに、年末調整でどれくらい戻ってくるのかについて見ていきたい。
まずはじめに、下の図を見て頂きたい。

[年収別による所得税率・住民税率]

年末調整で戻ってくるお金は、「所得税」の還付金によるものなのだが、そもそも所得税とは、年収によってかけられる税率が違うので知っておいていただきたい。年収300万円の方の所得税は5%、年収500万円の方の所得税は10%、年収700万円の方の所得税は15%というように、一般的に年収が上がるほど所得税も多くなっていくという仕組みになっている。
この年収別による所得税率を知った上で、それぞれの年収の場合、年末調整時にいくら戻ってくるのかを計算してみよう。
先ほど図で示した「生命保険料控除の種類」において、「一般生命保険料控除」「介護医療保険料控除」「個人年金保険料控除」の3種類においてそれぞれ、所得税・住民税の年収の控除が受けられると説明した。
所得税では、それぞれ上限4万円ずつの控除を利用でき、合計すると最大12万円の控除を利用する事ができる。年末調整における戻ってくるお金(還付金)の計算方法は非常に単純で、1年間において、自分が加入している保険がそれぞれ3種類の生命保険料控除のどれかに属していたら、その控除額を割り出し、あとは自分自身の年収による所得税率を掛けた金額が、年末調整によって戻ってくるお金という事になる。

驚くほどの金額が返ってくる訳ではないですが、生活は積み重ね。大切です


具体的に説明すると、例えば自分は個人年金保険のみに加入しており、個人年金保険料控除の条件を満たし、またこの控除枠すべてを使っているとした場合、所得税の控除枠は4万円となるため、自分の年収が300万円であれば、4万円×5%=2,000円が年末調整で戻ってくるということになる。同様に、年収500万円であれば4,000円、年収700万円であれば6,000円戻ってくるという計算になる。

もう一つの例では、例えば自分が生命保険・医療保険・個人年金保険のすべてに加入しており、それぞれ生命保険料控除の枠をすべて使っていた場合、最大12万円の所得税の控除を受けることができる。あとは年収別で計算すると、年収300万円の方は12万円×5%=6,000円、年収500万円の方は120,000円、年収700万円の方は18,000円が年末調整で戻ってくるという計算になる。
このように、今加入している保険はどの生命保険料控除に属しているか、また、いくらの控除を受けることができるか、そして自分の年収による所得税率は何%なのかを知ることにより、年末調整で戻ってくる金額が分かるので、ぜひ計算してみて頂きたい。

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