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公正証書遺言とは?公証役場における遺言書の作成費用から注意点までFPが解説!

公正証書遺言とは?公証役場における遺言書の作成費用から注意点までFPが解説!

公正証書遺言とは、その名の通り公正証書によって行う遺言のことをいいます。一般に遺言の方法には、「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」という3つの方法があり、その中でも公正証書遺言は、第三者によって遺言が変造されることがないメリットやより確実に遺言が実行されやすいメリットがあります。これらのほか、自宅や病院などに来てもらって遺言書を作成してもらうことや文字が書けない人でも正確な遺言書を作成できるといったメリットも併せ持っています。一方、公正証書遺言を作成するには一定の費用がかかり、これは法律によってその作成手数料が定められています。本記事では、公正証書遺言にかかる作成手数料の紹介をはじめ、公正証書遺言についての注意点や知っておいて損のない知識について併せて紹介していきます。

1.公正証書遺言の作成費用

公正証書遺言の作成には手数料がかかります


公正証書遺言の作成手数料は、「公証人手数料令」で定められています。手数料を計算する際は、それぞれの相続人や受遺者ごとに相続させる財産の価格によって手数料を算出していきます。そして、個々の算出した金額をすべて合計したものが公正証書遺言の作成費用となります。なお、1通の公正証書遺言における財産の合計(全体の財産)が1億円までの場合は、「遺言加算」として11,000円が別途必要となりますので注意が必要です。

(遺言に関する証書)
“第十九条  遺言の証書の作成(遺言の補充又は更正に係るものを除く。)についての手数料の額は、第九条の規定による額に一万千円を加算する”

出典 公証人手数料令 第19条より一部引用

なお、公正証書遺言の作成費用の一覧は以下の表の通りです。

財産の価額 手数料の金額
100万円まで 5,000円
200万円まで 7,000円
500万円まで 11,000円
1,000万円まで 17,000円
3,000万円まで 23,000円
5,000万円まで 29,000円
1億円まで 43,000円

上記手数料のほかに加算される金額の一覧は以下の通りです。

財産の価額 加算手数料の金額
全財産が1億円以下 11,000円の加算
1億円を超え3億円まで 5,000万円ごとに13,000円の加算
3億円を超え10億円まで 5,000万円ごとに11,000円の加算
10億円を超える部分 5,000万円ごとに8,000円の加算

一般に公正証書遺言による遺言書は、「原本」「正本」「謄本」と、それぞれ1部ずつ作成します。原本は、公証役場で原則として20年間保管、正本は遺言執行者が遺言を執行するために保管、謄本は遺言者が保管するのが通常です。なお、遺言執行者がいない場合は、ケース・バイ・ケースですが、正本、謄本を遺言者が保管する場合や正本は遺言者、謄本は相続人の内の1人が保管などさまざまです。

1-1.公正証書遺言のその他の費用
こちらは必ず発生する費用ではありませんが、たとえば、遺言書の原本・正本・謄本の交付が法務省令で定められている一定の枚数を超えた場合は、1通ごとに250円の手数料を加算して支払わなければなりません。

(証書の枚数による加算) “第二十五条  法律行為に係る証書の作成についての手数料については、証書の枚数が法務省令で定める枚数の計算方法により四枚(法務省令で定める横書の証書にあっては、三枚)を超えるときは、超える一枚ごとに二百五十円を加算する”

出典 公証人手数料令 第25条より引用

また、高齢であることや病気といった理由から公証役場へ足を運ぶことができない場合は、公証人が直接赴いて公正証書遺言を作成することも可能です。ただし、この場合は、手数料が50%加算されるほか、公証人に支払う「日当=報酬」や現地に赴くまでの交通費がかかることになります。公証人手数料令第43条を参考にしてみて下さい。

(証書の作成が病床でされたことによる加算)
“証書の作成が嘱託人の病床においてされたときは、手数料の額にその額の十分の五の額を加算する”

出典 公証人手数料令 第32条より一部引用

公正証書遺言の作成には手数料がかかります

2.公証人と公証役場とは

公正証書遺言は公証人という法律のプロフェッショナルが作成した遺言書です


公証人と公証役場について法務省のホームページより一部引用して紹介します。

“公証人は,国家公務員法上の公務員ではありませんが,公証人法の規定により,判事,検事,法務事務官などを長く務めた法律実務の経験豊かな者の中から法務大臣が任免し,国の公務をつかさどるもの”

“公証役場とは,公証人が執務する事務所のことです”

出典 法務省 公証制度について 第1 公証人と公証役場より一部引用

公正証書遺言は、公証人といういわば法律のプロフェッショナルが作成した遺言書であることから、遺言書の内容が不明確な場合や遺言書の作成自体に不備が生じるといったことがないため、信用性が非常に高い遺言の方法になります。そのため、確実に遺言を残し実行したい人には公正証書遺言が最適な遺言方法と言えます。

3.公正証書遺言を行うために必要な要件と注意点

遺言者本人が自分の意思で作成しておく対策が望ましい


公正証書遺言は、とても厳密であり以下の要件を満たしている必要があります。それぞれの要件や注意点について大まかに解説していきます。

3-1.証人が2人以上立ち会うこと
公正証書遺言は、遺言者が口述した内容を公証人が正確に筆記し、その内容を遺言書という形に残すことから、証人2人以上が筆記等について正確に行われているか確認するために立ち会いが必要となります。なお、証人には、未成年者や推定相続人など近親者を証人とすることはできない旨、法律で定められています。

3-2.遺言者による公証人に対する遺言の口授
公正証書遺言を作成するためには、遺言者が公証人に対して口頭で遺言内容を伝える必要があります。ただし、遺言者が話すことができない場合は、通訳を通じて伝える方法や自書で伝える方法も認められています。

3-3.公証人による口述の筆記もしくは遺言者と証人への読み聞かせ又は閲覧
公証人は、遺言者が口述した遺言の内容を正しく筆記していることを証明するために、遺言者や証人に対して遺言書の内容を読み聞かせるか内容を閲覧させなければならないことが法律で定められています。仮に遺言者や証人の中で耳が聞こえない人がいる場合、通訳人による通訳を行うことで読み聞かせに代えることができるものとされています。

3-4.遺言者と証人の署名および押印
公証人が作成した公正証書遺言の内容を確認した後は、遺言者と証人がそれぞれ署名および押印する必要があります。仮に遺言者が署名できない場合は、公証人はその署名できない理由を付して署名に代えることができるものとされていますが、裁判で争われた事例もあることから、やはり遺言者本人が自分の意思で署名・押印できる際に公正証書遺言を作成しておく対策が望ましいと言えます。

3-5.公証人と付記と署名押印
最期に公証人が、公正証書遺言を作成する一定の方式にしたがって作成したことを署名押印して公正証書遺言での遺言書が完成する流れとなります。

本記事では、公正証書遺言にかかる作成手数料の紹介をはじめ、公正証書遺言についての注意点や知っておいて損のない知識について併せて紹介させていただきました。公正証書遺言は、法令で定められたルールに則って遺言書が作成されるため、遺言がほぼ確実に行われることがご理解できたと思います。仮に公正証書遺言が見つかった時は、公証役場へ連絡することで速やかに遺言の内容を実現することができるだけでなく、公正証書遺言で遺言書を作成した時は、遺言者は相続人に対して公証役場で遺言書を作成した旨を伝えるだけで遺言書を容易に発見できることにつながります。

このページでわからない点があれば教えて下さい、相続牧場のFPが確認後回答致します。


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