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相続税路線価とは?路線価図や計算方法をFPが解説!

相続税路線価とは?路線価図や計算方法をFPが解説!
相続税路線価とは、国税庁が定めているもので「道路に面する標準的な宅地の1㎡あたりの価額」とされています。 まったくもって意味不明ですが、ざっくり説明しますと、たとえば、相続で土地を引き継いだ場合、 その引き継いだ土地にはどのくらいの価値があるのか評価(金額決定)をしなければなりません。 このとき、評価方法には国税庁が定めたルールが設けられており、土地(宅地)の場合は、 「路線価方式」か「倍率方式」といういずれかの方法で評価することになっています。 本記事では、相続税路線価について解説し国税庁が公開している路線価図や土地の 相続税評価額の計算方法について計算例をあげて紹介していきます。 最後まで一通り目通ししていただくことで、「そういうことだったのか」とご理解していただけることと思います。

1.路線価方式と倍率方式について

路線価方式ついて国税庁では、以下のように解説しています。


“路線価方式は、路線価が定められている地域の評価方法です。 路線価とは、路線(道路)に面する標準的な宅地の1平方メートル当たりの価額のことで、千円単位で表示しています”
図1
出典 国税庁 No.4602 土地家屋の評価(※1)

路線価とは、上記イメージ図でいう「300千円」のことを指します。 路線価は、千円単位で表示されていることから、上記の土地の1平方メートル当たりの価額は、 30万円であることがわかります。道路に面している状況によって土地の相続税評価額の計算の仕方が異なりますが、 この場合の土地の相続税評価額は、以下の計算式で導き出すことができます。

土地の相続税評価額=路線価×奥行価格補正率×面積

仮に奥行価格補正率が「1.00」であったとすると30万円×1.00×180㎡で土地の相続税評価額は、5400万円となります。

一方、倍率方式ついて国税庁では、以下のように解説しています。

“倍率方式は、路線価が定められていない地域の評価方法です。 倍率方式における土地の価額は、その土地の固定資産税評価額(都税事務所、 市区役所又は町村役場で確認してください。)に一定の倍率を乗じて計算します”

出典 税庁 No.4602 土地家屋の評価
図2
上記図のように路線価が定められていない場合は、土地の固定資産税評価額に「評価倍率表」 という表にあてはめた倍率をかけて計算します。 相続で土地を引き継いだ場合、故人に対して固定資産税が課されていたと考えられることから、 故人あてに届いている固定資産税納付書から土地の固定資産税評価額を確認することができます。 なお、わからない場合は、国税庁も記述しておりますように、都税事務所、市区役所又は町村役場で確認してください。

2.路線価図ってどんなもの?

ここでは路線価図ってどんなものなのか紹介していきますが、 年に1度くらいニュースにもなる日本で最も高い地価の路線価図を見て紹介していきます。


なお、平成28年度基準で東京都中央区銀座4丁目5-6の路線価とします。
図3
国税庁 平成28年分 財産評価基準書(※2)
 
土地の1平方メートル当たりの価額は、驚愕の3,200万円です。100㎡ですと32億円となります。 あまりの破格な値段に2~3度、電卓をたたきなおしました。 将来ご自身が相続に関係しそうな土地の路線価図が気になる方は、 国税庁ホームページの路線価図から路線価の確認をしてみることをおすすめ致します。

3.土地の相続税評価額は「条件」によって評価額が大きく変わる

これまで解説した土地の相続税評価額は、路線価が設定されている1つの道路に面した土地でした。


しかし、土地は「地目」といって、自宅用の土地である「宅地」をはじめ、 「田」「畑」「雑種地」など土地がどのような利用のされ方をされているのかによって、 評価額が大きく異なる特徴があります。また、「土地の形が不整形」な場合や「角地(かどち)」や 「準角地(じゅんかどち)」といった場合ですと、評価額が増加したり減少したりすることになります。

3-1.相続税評価額のプラス要因 角地
図4
角地とは、上記図のように2つの道路に面している土地のことをいいます。 2つの道路に面している土地というのは、一般に使い勝手が良いという理由から 「価値が高い」という評価がなされます。仮に太い道路側が正面、 細い道路側が側面だと仮定しますと、正面路線価と側面路線価という2つの路線価を合わせたものが、 角地の相続税評価額となります。

3-2.相続税評価額のプラス要因 準角地
図5
準角地は、2つの道路に面してはいるものの、 1つの道路が折れ曲がっている所に面した土地のことをいいます。 先に紹介した角地よりもプラスの評価が低くなります。

3-3.相続税評価額のマイナス要因 宅地が不整形な場合
相続で引き継いだ宅地が必ずしも四角形であるとは限りません。 一般に四角形の宅地ですと使い勝手が良いと考えられる一方で不整形な宅地の場合、 使い勝手が悪くなると考えられます。このような理由から、 宅地が不整形な場合、相続税評価額は補正されて評価額が減額されます。

3-4.相続税評価額のマイナス要因 宅地の奥行きが長い場合
宅地の奥行きが長い場合、その利用価値が低いと評価されることから、 相続税評価額は補正されて評価額が減額されます。

3-5.相続税評価額のマイナス要因 宅地の間口が狭い場合
仮に道路に面した土地であれば評価額は加算される考えにもなるのですが、 宅地の間口が狭い場合は利用価値が低くなると考えられます。そのため、 このような場合も相続税評価額は補正されて評価額が減額されます。

4.相続税評価額のプラス・マイナス要因は細かく存在する

ここまで相続税評価額のプラス・マイナス要因をいくつか紹介しましたが、 人に建物や土地を貸しているなど本当にさまざまな要因で評価額が変わります。


路線価を利用して大まかな財産評価を自分で行うことは1つの目安に留め、 確実な財産評価は、税理士といった専門家から行ってもらうようにして下さい。

5.相続で引き継いだ土地は「現況」で評価される

相続で引き継いだ土地の相続税評価額は、その土地の「現況」で評価されます。


極端な例ではありますが、たとえば、相続で引き継いだ土地の不動産登記簿を確認した際に 「地目が宅地」となっていたものの、 すでに建物が解体され更地として長年放置されていたとするとそれは宅地としてでは なく更地として評価がされるといったイメージです。これらの判断は、 税理士などの専門家に依頼して判断してもらうのが無難であることはいうまでもありません。 ポイントは、不動産登記簿に記載されていた書類上で判断するのではなく、 あくまでも現況の土地が、どのような利用状況になっているのかという点になります。

6.最後に

本記事では、相続税路線価について解説し国税庁が公開している路線価図や 土地の相続税評価額の計算方法について紹介させていただきました。 土地(宅地)の場合は、「路線価方式」か「倍率方式」のいずれかの方法で評価することを解説しましたが、 これは、国税庁が定めている「財産評価基本通達」というもので相続税評価額は決まることを意味します。 つまり、財産評価基本通達には、相続で引き継いだ財産を評価するためのルールが盛り込まれており、 これで財産の相続税評価額を導き出すことが可能になります。


専門家の判断をチェックして対策しましょう。

路線価の有無や角地の評価計算方法などは、非常に複雑な場合もあるため、必ず専門家の判断を得ながら対策することをおすすめ致します。

(※1)https://www.nta.go.jp/taxanswer/sozoku/4602.htm
(※2)http://www.rosenka.nta.go.jp/main_h28/tokyo/tokyo/prices/html/18008f.htm

このページでわからない点があれば教えて下さい、相続牧場のFPが確認後回答致します。


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